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キッズデザイン賞は、キッズデザイン協議会が主催する子どもや子どもの産み育てに配慮した、すべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象として行っている顕彰制度であり、2006年の第1 回開催以来、今年で第14 回目となります。
今回メルディアグループでは、このキッズデザイン賞第14 回において、株式会社三栄建築設計と、子会社である株式会社マックホームのダブル受賞を獲得しました。
また、三栄建築設計は今回で3年連続の受賞となりマックホームにおいては初のキッズデザイン賞受賞となります。

三栄建築設計受賞作品

プロデューサー
三栄建築設計デザイン研究開発室

山田 麻子

■プロフィール
2006年
三栄建築設計入社・東京分譲設計課勤務(戸建分譲住宅の設計監理)
2010年
請負注文部門設計課勤務(請負及び、注文住宅の設計監理)
2015年
デザイン研究開発室立ち上げと同時に異動
■受賞歴
  • 「住まいの環境デザインアワード2018」東京ガス賞 受賞
  • 「第12回キッズデザイン賞」2部門受賞
  • 「平成30年度住まいのイテリアコーディネーションコンテスト」優秀賞受賞
  • 「第13回キッズデザイン賞」1部門受賞

デザイナー
三栄建築設計東部設計3課

寺田 瑞希

■プロフィール
2015年
三栄建築設計入社
2020年
東部設計3課勤務
コンセプト
黒板でシェアする「アウトサイドベース」

受賞の連絡があった時の率直なご感想はいかがでしたか?
受賞出来てほっとしました。これで三栄建築設計は3年連続でキッズデザイン賞を受賞することが出来ました。今、コロナにより日常生活が大きく変化してきています。その中で我々住宅を供給する会社が社会に果たす役割はより一層、重要なものになってくると思います。今後も時代に合った子供と家族の豊かな日常生活を実現するため、様々な住宅を提案してまいりたいと思います。
プロジェクトの概要は?

都市部の戸建住宅では、十分な広さの庭を確保することが難しかったり、交通量の多い道路に面していると子供の飛び出しの危険性や、住宅密集地では近隣からの目線が気になる等、家の外部空間には様々な問題があります。
そこで、バルコニーをただ洗濯物を干すだけの空間ではなく、外部空間を積極的に家族で楽しめるスペースとして活用できる様に計画しました。バルコニーをより積極的に活用することで、室内では経験できない様々な体験を家族で共有し、暮らしをより豊かなものへと変えてくことが可能です。
バルコニー空間を家族全員でより積極的に楽しむために前室としてインフォメーションスペースを設ける等、子供達が室内では経験できない様々な体験ができる重要な空間となる様計画しました。

設計に至るまでの過程は大変でしたか?

以前にキッズデザイン賞を受賞した作品もそうですが、実は、キッズデザイン賞は会社から応募する様に指示があったわけではありません。
弊社の戸建て住宅を購入される大半が30代の子育て世代であることから、子育てがしやすい、今の時代にあった新しい住宅の提案を行い、社外での評価を受けたいと思い、私から会社へ応募の希望を出したことから始まっています。
プロセスとしては、最初は対象となる土地はない状態から、今の時代に合った子育て環境にふさわしいデザインとは何かを考えることから始めます。そして問題点を明確にし、具体的なプランに落とし込んでいきます。自分で希望してコンペに応募しているので、その分プレッシャーは大きいですが、完成までに様々な部署の方々が積極的に協力してくださったおかげで、とても楽しく設計することが出来ました。
特に一緒に物件を担当したプロジェクトメンバーの皆さんにはとても感謝しています。

こだわりのポイントは?

バルコニー空間を単体でデザインするのではなく、積極的にバルコニーを使いたくなる様に室内空間との繋がりをどの様に持たせるのかを重視してデザインしました。
まず、バルコニーへのアプローチを家族が毎日必ず通る動線上に設け、かつより積極的にバルコニー空間を活用するために前室となる「インフォメーションスペース」を設けました。
このスペースではバルコニーでどんなことをするのか黒板壁で情報を共有すると共に、バルコニーでの空間利用の準備室としての役割も果たします。
ガーデニングが趣味の家庭なら、インフォメーションスペースの黒板に種を蒔いた日や開花日などを記載して、家族で情報を共有したり、キャンプが趣味の家庭なら、キャンプでやりたいことを皆で黒板に書いて計画を立てるなど、様々な活用方法が考えられます。空間を積極的に使ってもらえる様な工夫をしつつ、1つの使い方に絞るのではなく、その場所に様々な役割の可能性を持たせています。

マックホーム受賞作品

プロデューサー
マックホーム注文住宅課

石井 隆

■プロフィール
1962年
埼玉県生まれ
1985年
法政大学工学部建築学科卒
地域ビルダーにてパッシブソーラー住宅の設計責任者を経験後、設計事務所にて店舗・公共施設・住宅の設計を行なう
2016年
マックホーム一級建築事務所在籍
■受賞歴
  • 2019年度グッドデザイン賞受賞

本プロジェクトチームメンバー

コンセプト
ミメル 子供の創造力を育む家

受賞の連絡があった時の率直なご感想はいかがでしたか?
(各プロジェクトメンバーの声)
・設計課全員で創ったものが受賞となり、とても嬉しく思いました。
・設計課みんなで1つの事を時間の無い中、協力し合って創り上げそれが結果として会社に貢献できました。
・設計課みんなでやり遂げてよかったと思いました。
・いくつかの案から全員が一つの形に協力しあい受賞できたことは達成感と安心感、何よりもうれしく感じました。
・受賞の知らせに大変驚きましたが、課として作り上げたものが認めてもらえた事を嬉しく思いました。
・各々の個性ある考えがつまった内容となり、受賞できてうれしく思いました。
・「ほっと」したと同時に「やったー」という感じです。企画設計課全員で協力して受賞できたことに誇らしく感じました。
プロジェクトの概要は?

「みる」・「きく」・「ためす」でわくわくする。
家の中の「遊び場」で想像力を育むことができる、都市型狭小地向け3階建て量産住宅のご提案をしました。
子育て世代のご家族を想定し、“室内空間を生かした「遊び場」をつくることで、子どもたちの想像力を育む”というコンセプトの元プロジェクトをすすめて参りました。「遊び場」には「飛べる広場」や「描けるスキ間」、「おうち砂場」など、自然環境も取り込むことで、お子様の行動をより活性化させるプランニングにしている他、お子様の成長に合わせて、これらのスペースがその時の用途に応じて可変できるようになっているのも最大の特徴です。
そうすることで生まれる、ほどよい親子の距離感が、見守りとお子様の自主性を両立し、家事・育児にかかる時間確保と、親子双方の気持ちのゆとりができる家となっています。子どもの成長につれ、親子の距離感や問題は変化しますので、家族の直面する様々な不満の中で、子育て時期の「こうしたい、こうありたい」の希望だけでなく、快適・安全に長期間使い続けられるような機能と性能を実現しました。
また本プロジェクトの基本性能にも優れており、
1、金物工法による耐震性能向上
2、門型フレームの採用で可変性を担保
3、狭小地でも自然を感じられる断面計画
4、時代の要請に適合した省エネルギー性能対応
をベースとしております。

設計に至るまでの過程は大変でしたか?

当社企画設計課にも子育て世代の社員が複数名在籍しております。共働き子育て世代の率直な気持ちを課内で討論をし、問題点と課題を設定しました。
課題の中心は、親子間の距離感や見守り、子供の自主性の尊重でした。現役子育て世代の率直な気持ちを自分たちの言葉でまとめました。
親の気持ちと子どもの気持ち、親には子どもと一緒に遊びたい・教えてあげたいという強い思いがあります。その反面、子供だけで自由に遊ばせたい、できるだけ口出しはしたくないという思いもあります。子どもにも一緒に遊びたい・見ていてほしいという思いもありますが、子どもだけで遊びたい・見ていて欲しくないという思いもありそうだなと思いました。この親と子のそれぞれの気持ちを同時に叶えることはできるだろうか?学童期までのこどもに適応した遊び環境を作り出すことができるだろうか?そういった思いを実現するための建築的工夫があれば、子どもの自発性や、「ねぇ、見て見て!」という気持ちをおこすことができるのではないかと考えました。
遊び場での親子の気持ちの両立。親子の気持ちは「一緒に遊びたい」ときと「一人で遊びたい(遊ばせたい)」ときに分けられます。この相反する気持ちを「遊び場」を中心に循環させることができるのではないかと思いました。「一緒に遊ぶ」ことでの経験「みる・聞く」を、一人で遊ぶ「ためす」ことによって「わくわく」する情動と興味・意欲、そして想像力を育むことができるのではと思いました。この課題の解決を実現するために、各企画設計課員のアイデアやセンス、課全体の集団的主観を駆使して設計をすすめることにしました。

こだわりのポイントは?

デザインのポイントは4つあります。
1.子どもの遊び場
LDKにつながった中二階空間、その高低差を活かし子どもの遊び場を作り出しています。家の中に家があるような家型の手すりでその空間を象徴的に演出しました。「飛べる広場」には吹抜け空間の高さを活かし、その壁面に体を動かし遊ぶ仕掛けを演出しました。バルコニーには時間や天候の制限なく遊べる「おうち砂場」「描けるスキ間」は中二階下部を利用した子どもの専有領域です。床天井壁ともに落書きできる素材で仕上げ、階段のすき間から様子をうかがえる工夫は親子双方の安心感を生んでいます。
2.可変性
子育て時代、学童期まで期間にとどまらず、家族の成長と共に居室の間仕切りの変更ができるシステムを採用しました。中二階下スペースは収納に変更できます。
3.自然環境の取り込み
南面ルーフバルコニーは「飛べる広場」とひとつづきの間取り。LDK空間へ太陽光と通風を取り入れる外部環境との中間スペースとして、植物栽培やアウトドアライフに活用できます。そして緑に親しむことが子どもの情操を育む効果があります。
4.地域とのつながり
子どもの独立後、1階カーポート空間では間口広さを有効に活用し、店舗化やテレワークスペースへの改変も可能となります。近隣に対して開かれた開口部を設け、人と出来事を呼び込み、地域コミュニティ形成を支援することができます。